いよいよ新たなる1歩を踏みだすヒカル。
楓にも転機が訪れる。



☆☆☆

結局、例の仕事を受ける事にしたヒカルは
今まで以上に、いろんな現場で
いろんな人に出会い
勉強しながら、仕事を頑張った。

定期的に、楓とも連絡を取り
2月の音楽高校の試験に向けて
薫と正太郎と共に出来る限りの
サポートをしていった。



そして
合格発表の日




M大付属音楽高等学校
ヴァイオリン科

新田 楓

「合格」









3月

無事に高校合格と中学卒業した楓。


この日は、小島家で
盛大に高校合格と
中学卒業の祝賀会が開かれた。

峰に拓海に海翔

ソロアーティストとして
ずっと海外で修行していた真澄が
久しぶりに帰国し、参加。

R☆Sメンバーが数名参加している。


峰は、すでに号泣している


「楓~よかったな、本当に!」

「峰さん、早いよ」


海翔が茶化す。

「うるさい!!
これはうれし泣きだ、だからいいんだ」

「本当、最近涙もろいですね」


拓海も呆れる。


「やだ~龍ちゃん、いつの間に
そんなおじさんになっちゃったの?」

「なんだよ~久しぶりに会ったのに
真澄ちゃんまで」

「だってね~・・・楓ちゃん、お久し振り
私の事覚えてるかしら?」

「もちろん、真澄ちゃん!
お久し振りです」

「あらまぁすっかり声が出るようになったのね
よかったわ・・・
はい、これヨーロッパのお土産で悪いんだけど
お祝い代わりにね」

「ありがとう~あっ可愛い」

「よかったわ、気に入ってもらえて
パリに行ったときに美音ちゃんと
一緒に選んでもらったの」

ヒカルがビックリして
楓は美音という名前にドキッとする。


「美音に?」

「そうよ、ヒカル君
もう美音ちゃんに何年会ってないの?
彼女、すっかり大人の女性に
なってたわよ」

「何年かな・・・
でも、あの美音がね~想像できない(笑)」

「美音ちゃんか~日本に来た時
いくつだったんだっけ?
たしか、舞のガラコンの時だったよな?」

「3~4年前位?いくつ下だったっけ?」

「5歳です」

「じゃぁもう20歳か?」

「まぁそのくらいでしょうね」


そこに峰が真澄に


「のだめに似てるのか?」

「え?そうね~のだめって言うより・・・」

「言うより?」

「千秋様?いや
それもなんか違う感じ・・・あっ
二人のおばあ様」

「え?征子ママ?」

「そうそう征子さん
征子さんも相変わらずパワフルよね~

仕事は全面的に
姪っ子の由以子ちゃんに任せてるのに
それでも、海外飛び回って・・・
とてもじゃないけど
70代には見えないわよ」

「歳の事言ったら、征子ママ怒りますよ」

「まぁヒカル君、真澄がそんな事言ってたの
征子さんには内緒ね
日本にたまに帰ってくるんでしょ?」

「まぁ年に2回くらいは・・・
横浜の実家にですけど」

「征子ママって、舞がパリに行ったとき
世話になったって?」


拓海がヒカルに聞く。


「ああ、そうです
なんか、舞と拓海さんのお母さんの留学を
世話した関係で」

「へぇ~なんだよ、日本に来てるなら
なんで紹介してくれないんだ?」

「へ?」

「だって舞が世話になったんだろう?
礼の一つも言わなきゃ」

「でも・・・あの人、いっつも突然なんですよね・・来るの・・
下手したら、着いた日に
空港から連絡してきますから・・・
行ければ行きますけど
最近は、こっちも忙しくて・・・
で、時間が出来て連絡すると
もう日本にいないんですから」


「そうなの?忙しい人なんだね」


「ええ、昔から世界各国飛び回ってましたから」


真澄が、話を遮る


「ともかく、ヒカル君の妹の美音ちゃんは
のだめ似でも、千秋様似でもないけど
美しい女性に育ってるって事。」


離れて、皆の話を聞いていた楓は
美音がヒカルの妹だと聞いて
ホッとしていた。


「そうそう、あちらで千秋様のオケにゲストで
参加させてもらったんだけど
相変わらず、素敵だったわ~
さすが、わたしの千秋様!!」

「いやいや、真澄ちゃんのじゃないし」


峰がツッコむ。


「龍ちゃん、うるさいわね!
夢位見させなさい!!」

「あははははは~」


このメンバーが揃うとつい身内ネタで
盛り上がってしまうのであった。


楓は、ちょっと寂しそうである。

そんな楓に気が付いた海翔は小声で


「ヒカル、楓ちゃん、寂しそうだぞ
今日は彼女が主役だろ」

「あっスイマセン」


ヒカルは、慌てて楓の元に向かう。


「楓ちゃん、ごめん
ついあっちで盛り上がっちゃった」

「ううん、だって真澄ちゃん、久し振りだもん
それに、真澄ちゃんって
ひーちゃんの恩人なんでしょ?」

「ん~恩人って、いうか・・・
まぁ日本でこうしていられるのも
あの人のおかげかな・・・・」

「じゃぁ真澄ちゃんがいなかったら
こうしてひーちゃんとも
会ってなかったって事か・・・」

「まぁそうだね・・・
多分、日本にすらいなかったと思う・・・」


楓は、ニッコリ笑って、ヒカルの腕に飛びつき


「じゃぁ私も真澄ちゃんに感謝しなきゃ
ひーちゃんに会わせてくれてありがとうって」


「・・・そうだね・・・」


ヒカルは、そんな楓を見て
愛おしくなった。


この後、楓と正太郎でヴァイオリンソナタ
楓と拓海と2重奏
他に海翔のサックスと正太郎のピアノ他で
即興演奏などが行われ
大いに盛り上がった。







「じゃぁご馳走様で~す」

「お邪魔しました~楓ちゃん
おめでとう~またね~」

「こちらこそ
ありがとうございました、またね~」

「気を付けて帰ってね~」

祝賀会も無事終わり
楓と薫に正太郎は
それぞれ客を見送った。

そして、峰と拓海に海翔も

「じゃぁ、俺らも帰るわ
ヒカル悪いな、片づけの手伝い頼むわ」


「わかってますよ
峰さん、気を付けて帰ってくださいよ」

「大丈夫、僕らで、責任もって送るから」

「よろしくお願いします。」

「こっちこそ悪いな、先に帰るけど」

「大丈夫です、真澄ちゃんもいるし
今日は、ありがとうございました」

「龍さん、たーくん、カイト
ありがとうね!!」

「おう、じゃぁな!楓!!頑張れよ!」

「うん、バイバイ~」


拓海と海翔は、酔って足下が
おぼつかない峰を抱えて帰って行った。


「龍ちゃん、大丈夫かしら?」

真澄が、心配そうに見送るが

「二人がついてるから、大丈夫ですよ
じゃぁ片づけちゃいましょうか?」


「ごめんね~ヒカル君だけじゃなくて
真澄ちゃんにまで、付き合わせちゃって
帰って来たばかりで
疲れてるでしょ、大丈夫?」

「あ~ら、構わなくてよ
久し振りに日本に帰ってきて
皆に会えて、楽しくてしょうがないもの
・・・ふふふ」


「後で、色々聞かせてよ、ボクも話すことあるし」

「あらそうなの?
じゃぁさっさと片づけちゃいましょ?」






一通り片付けも終わり、一段落した。

正太郎とヒカルが
最後テーブルを元の位置に戻し

「ひとまず、こんなもんでしょ、皆お疲れ~
とりあえず、お茶でも飲もうか?」

「そうしましょう」


薫が、キッチンに向かう。


「私も手伝うわ」


真澄も後から追う。



「楓ちゃん、今日はどうだった?」

「うん、とっても楽しかった、皆来てくれたし
いろんな話聞けたし」

「そうだね、ボクも皆と久しぶりに会えて
楽しかったな」


そこに、真澄が先にお茶を持ってくる。


「あら?ヒカル君、そんなに忙しいの?」

「はい・・・ありがたいことに
いろんな方から声かけて頂いて
今、現場でいろいろ体験しながら
勉強中って感じですね」

「まぁ、すごい、ヒカル君も立派になって・・・」


真澄は、しみじみと涙ぐむ。

お茶菓子を、運びながら薫が


「やだ~今度は、真澄ちゃん?
もう龍ちゃんにしても
みんな年取ったんじゃない?
最近涙もろいわよ~」

「だって・・・日本に連れて来たばかりの頃は
どうなるかと思ってたんですもの・・・・
あの頃のヒカル君と比べたら、本当、別人よ」

「いやだな、真澄ちゃん、大げさだよ」


ヒカルは
恥ずかしそうに笑ってごまかす。


「決して、大げさじゃないわよ
毎日幽霊みたいな顔して
いるんだかいないんだか
わかんない状態で・・・」

「へぇ~意外だな・・・
ヒカル君にも、そんな時期があったんだ」


正太郎が不思議そうに二人を見る。


「・・・・たしかに、あの頃は、ボク自身もどうしていいか
わからない時期で・・・・
生きている意味さえ分からないでいたっけ・・・」

「・・・ひーちゃん・・・」


楓は、不安そうな目でヒカルを見つめる。


「・・・でも・・・あの時も
真澄ちゃんに沢山助けてもらった・・・
真澄ちゃんには
小さい頃から本当にお世話になってて・・・
特に両親の演奏会とかで日本に来た時は
こっちに同世代の友達がいないボクと
いっつも一緒にいてくれて・・・・」


薫は、感慨深げに


「そうだったんだ・・・」

「はい・・・多分、真澄ちゃんからすれば
友人の子供だからってだけだったんだろうけど・・・
ボクからすれば今でも
大切で大好きな人なんです」


真澄は、もう涙が止まらない。


「ヒカル君・・・・
私だって・・・そりゃ正直言って
最初は大好きな千秋様のお子様だからって
お預かりしたのが始まりだったけど・・・・

こんな私の事、最初から
モジャミちゃんっていって懐いてくれて
日本に来るたびに、私の所に来てくれて・・・
まぁのだめのおかげでもあるんだけど・・・・」


真澄が、しみじみ語っていると・・・


「ぷっもじゃみ?何それ~ピッタリ~」


薫は、思わず吹き出してしまう。


「薫さん、失礼ですよ・・・
でも、そうですね・・あははは」

「もじゃみちゃ~ん、あははは」


正太郎と楓も、たまらず笑いだす。


「もうあんたたち、本当失礼ね!!」


真澄も半分笑いながら、怒っている。

ヒカルも、一緒になって笑いだす。


「まぁヒカル君まで!!・・・・ぷっ、あはははは」

真澄も、結局一緒に笑いだした。







「じゃぁヒカル君のお母さんが、作った曲の?」

「まぁそうです・・・
もじゃもじゃ組曲っていうんですけど・・・」

「え~聞いてみたい!!」

「まぁそのうちに・・・」

「え~つまんない~」


楓は、膨れるふりをする。


「あっそうだ、ヒカル君のお話って?」


真澄は、さっきのヒカルの言葉を思い出した。


「あっ・・・それなんですけど・・・」

「楓ちゃんにも聞いて欲しんだけど・・・
薫さんは・・・知ってるよね?正太郎さんは?」


薫は頷き、正太郎は


「簡単にだけど、薫さんから・・・」

「じゃぁ皆に、ちゃんと詳細含めて、お話します」






☆☆☆







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