峰の話を踏まえて
☆☆☆


久し振りに、小島家へ顔を出したヒカル。
楓は、まだ学校から帰っていない。


「ヒカル君、いらっしゃい~ごめんね
休みなのに、早く来てもらっちゃって」

「いえ、大丈夫です」

「楓、まだだから、お茶でも飲んでて」

「あっはい、スイマセン」

薫は、お茶と茶菓子を持ってくる。

薫も、ヒカルと向き合う位置に座る。

二人とも、ひとまずお茶を一杯飲む。
薫は、カップを置いて、ヒカルの目を見て


「ヒカル君」

「はい?」

「仕事、順調だって?」

「ええまぁなんとか」

「ふふふ、龍ちゃんと同じこと言うのね」

「そうですか?」


照れながら、お茶を飲むヒカル。


「聞いたわよ、来年の仕事の話・・・
チャンスじゃない」

「・・・・ああ、峰さんに聞いたんですね・・・
まぁそうなんですけどね・・・・」

「龍ちゃんも言ってたと思うけど
楓の事は気にしないでいいのよ」

「・・・・楓ちゃんの事も気になるんですけど・・・
実は・・・・ボク・・・ちょっとビビってます(笑)」

「?」

「いや、ずっと日本に来てから
周りの人のサポートがあったからこそ
ここまでやってこれたんです

ボク一人だったら
正直、ここまで出来なかったと思うんです・・・
仕事の事だってそうです・・・・

でも、今回の件は
初めて直接ボクにオファーがあって・・・
そりゃ前に仕事一緒にした事があったんですが・・・
それだけだったのに・・・・
だから、聞いたんです
誰かの推薦か?って・・・」

「そうしたら?」

「いや、自分が気に入ったからですって・・・」

「すごいじゃない!!」

「まぁ嬉しかったのは事実ですが
それと同時に恐怖心も出てきて・・・
そりゃ今までの仕事も
いろんな人の推薦や、悪く言えばコネとかで
もらってた仕事が主だったんですが・・・

それだって、失敗したりヘマしたら
せっかく紹介してくれた人に
迷惑がかかるって
必死にやってきましたよ・・・・
でも、やっぱりどこかで甘えてたんでしょうね・・・

この話があった時、この仕事失敗したら
もうボクは終わりかも?・・・って」

「また~大げさな・・・」

「大げさかもしれないけど・・・・
それくらいいろんな人がかかわってて
ボクよりものすごい人たちもいて・・・・
怖くなっちゃったんですよ・・・あははは
だらしないですね・・・ボク」

「・・・・・ぶっ、あははははははは」

薫は急に笑い出した。

「?」

薫は、構わず

「あはははははは~ごめんごめん
いや、ヒカル君も普通の人だったんだね
あははははははは~」

ヒカルは、ちょっとムッとしながら顔を赤くして

「普通ですよ、普通に決まってるじゃないですか、
今まで、何だと思ってたんですか?」

「ごめんごめん、だって~
あはははは、何か、私どっかで
ヒカル君て、品行方正で何をやらせても
完璧だし
いつもカッコいい事言ってるし・・・
無敵のヒーローみたいに
いつもどこかで思ってたかも」

「何ですか、それ?
ボクなんて、しょっちゅう失敗してるし
カッコいい事なんて、言ってるつもりもないし
無敵なんかじゃないですよ!!もう!!」

ヒカルは、恥ずかしいやら、何やらで
顔を真っ赤にして、薫に反論した。

「そうよね、そうなのよ
ヒカル君も人の子で
普通の男の子なのよね・・・」

「そうですよ・・・勘弁してくださいよ・・・」


そこへ

「ただいま~」

楓が帰宅。

「あっ仕事の事、まだ楓には内緒にしてて」

「え?あっはい・・・」

「おかえり~あははは」

薫は、まだ笑ってる。










久し振りにヒカルに会った楓は
素直に喜んでいた。

ヒカルも
仕事の事は気になってはいたが
今日は、ひとまず楓の明るい顔を
見て安心した。

夜は、正太郎を交えて
久し振りに家族団らんっぽく
夕食を味わった。


「ひーちゃん、そういえば
さっき私が帰ってきた時
薫ちゃん、笑ってたけど
何かあったの?」

「え?あっああいや・・・えへへへ」

ヒカルは、来年の仕事の事を
黙ってるように言われたので
何て言っていいか困って
笑ってごまかしてしまった。

すかさず、薫が

「ヒカル君が、仕事で失敗した話
聞いたら、おかしくて」

「薫ちゃん、ひどーい!
ひーちゃんだって失敗くらいするでしょ?ねぇ」

「え?あっうん」

「っていうか、ヒカル君も
人並みに失敗するんだな~って
なんかどこかで
ヒカル君は無敵のヒーローって思ってたから」

「また、それを言う」


ヒカルは、また顔が赤くなる。

正太郎も調子に乗って

「たしかに。
ヒカル君て、いつも冷静でかっこよくて
ヒーローって感じかも」

「正太郎さんまで、何いってるんですか!」

「そうよ、ひーちゃんは
無敵のヒーローじゃなくて
私だけのヒーローなんだから」

「楓ちゃんまで、何言ってるんだよ
ボクはヒーローでもなんでも・・・」

「いいじゃない、それで。
楓がここまで元気になったんだって
ヒカル君のおかげなんだし」

「ボクだけの力じゃないですよ
楓ちゃんも頑張ったし
薫さんや正太郎さんだって」

「僕らは、保護者として
当たり前のことをしただけさ
やっぱり本当のヒーローはヒカル君かもね」

「もう、勘弁してください!!
ボク帰ります!!」

「ごめんごめん、まだ残ってるんだから
ゆっくり食べてよ」

「もう、本当やめてくださいよ・・・」


ヒカルは、やけ食いを始めた。


「あはははは~」


それを見た3人は、さらに笑いだした。


そんな3人を見て
ヒカルも諦めて一緒に笑いだした。






☆☆☆

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