・・・・・

あれ?前に出したっけ?

楓の母親、薫の妹ですが

名前を、「遥(はるか)」

弟の名前は、「遼(りょう)」


一文字で統一しました。
意味は、特にないです。

ちなみに、お父さんの名前は・・・・?



☆☆☆


楓の母(新田 遥)が入院している病院。
(事故から、2年近く立っていたが
未だに遥は意識不明だった)

薫が、遥の定期検査の結果を聞きに来ていた。


「え?」

「はい、ちょっと臓器関係の数字が
少し落ちてきてるのが気になりまして・・・・」

「大丈夫なんですか・・・」

「意識が戻らないのは
頭の怪我の影響だと思うんですが
今は・・・もちろん万全の体制は常にとっているので
何かあった時には、すぐ対応できる・・・」

「何かって、何なんですか?
自発呼吸し始めて、回復するって」

「期待できるっていったんです・・・
でも、楽観視は出来ないと
で、体の方の怪我が思った以上に
回復が遅れていて・・・」






病院の待合室。

薫は、どうしいいかわからなかった。

車を運転して帰る自信がなかったので
正太郎に電話して迎えに来てもらった。






「そうですか・・・」

「楓になんて話そう・・・」

「楓ちゃんもそうですが、薫さんは大丈夫ですか?」

「え?」

「遥さんは、薫さんの妹で
たった一人の血のつながった家族でしょ?
ボクの前では無理しなくていいんですよ」

「正ちゃん・・・・」

薫は、ポロポロ涙を流して泣き始めた。






結局、二人は話し合い、遥の事は
しばらく楓には伏せておくことにした。






~後日の小島宅~



ヒカルは、楓の練習を見るために来ている。
そこへ電話がかかってくる。



「え?優勝した?本当に?やったじゃないか!
おめでとう!
これで、いよいよか?そうだな、がんばれよ」


電話を切るヒカル。


「誰が優勝したの?」

「あっごめん、パリの友達。
指揮者のコンクールに出てたんだ」

「へ~え、指揮コンで優勝?すごいね・・・」

「?・・・・・どうしたの?元気ないね」

「ううん・・・なんかね・・・
最近二人の様子が変な気がして」

「二人って、正太郎さんと薫さんが?」

「うん」

「変って、どんな風に?」

「なんか私に、隠し事してる感じ?」

「ふ~ん、気のせいなんじゃないの?」

「そうかな・・・」

「どうする?
気になる事があるときって、いい音出ないよ?」

「やる、せっかく忙しい中
ひーちゃんが来てくれてるのに」


ひと通り練習した後
一休みしていた時に薫が帰宅した。


「ただいま~ごめんね
ちょっと生徒さんの親御さんと話があって」


ヒカルが出迎え


「おかえりなさい、ちょうど今、休憩してた所です」

「ヒカル君、ありがとうね、楓、ちゃんとやってる?」


楓は無言だった。


「?楓?」

「楓ちゃん?」

「ねぇ薫ちゃん、私に何か隠してることない?」

「何よ、突然、何もないわよ。どうしたの?」

「だって・・・最近、二人ともおかしいんだもん
夜も遅くまで二人で話してるし・・・
何かあるなら話してよ」

「楓・・・・」

「あっボク、今日は帰りますよ、後は二人で・・」

「いいの、ひーちゃんはいて、
せっかく忙しいのに来てくれてるんだから」

「でも・・・」


薫の困った顔を見て、ヒカルも困る。


「薫ちゃん、もう私小さい子供じゃないんだよ
もう来年は高校生なの
一緒に暮らしてるんだから、隠し事なしにしようよ」

「楓ちゃん・・・」


ヒカルは、楓をなだめる。


「・・・ヒカル君、いいよ・・・わかった・・・そうだよね
一緒に暮らしてるんだもん
隠し事してもわかっちゃうよね・・・
ごめん楓・・・実は遥の事なんだけど・・」


「ママの事?」

「遥ね、最近、具合がよくないみたいなの・・・」

「よくないって・・?」

「どうも遥、ママね疲れちゃったみたい・・・」

「え?」

「先週の定期検査の時に、先生に言われたんだけど・・・」




医者に言われたことを、楓に包み隠さず話した薫。

「ママ死んじゃうの?」

楓は目に涙いっぱい溜めて

「・・・わかんない・・・
でも、いつ容態が急変してもおかしくないって」

薫も涙があふれて来た。

ヒカルは、どうしていいかわからなかったが
ひとまず楓のそばに立っていた。

楓はいてもたってもいられず

「薫ちゃんのバカ!!
どうして、なんでそんな大事に事、黙ってたの?
私今からママの所に行く」

「楓!」

「楓ちゃん!薫さん、ボクが連れて行きます。
薫さんは、後で落ち着いたら、来てください。」

ヒカルは急いで、楓の後を追った。

薫は、その場に呆然として座り込んだ。





ヒカルは自分の車に楓を乗せて
母親の入院している病院に向かった。


ICUの前に来ると、何やら慌ただしかった。


「どうしたんだろう?何かあったのかな?」


そこに、顔見知りの看護師が通りかかった。


「あっ楓ちゃん?もう連絡あったの?」

「え?ママに何かあったの?」

「今さっき、本当に今さっき意識が戻ったのよ」

「え?」

「楓ちゃん、急ごう」


二人は、急いで遥のベッドに向かう。


「ママ!」


楓の声に、うっすらと目を開ける遥。

遥はかすれた声で


「・・・楓?」


楓は嬉しそうに


「うん、楓だよ、わかる?」

「楓・・・・なんだか急に大きくなったみたい・・・」


そこに担当医がやってくる。


「楓ちゃん、先生に診てもらおう」

「うん・・・・」


二人は、一度ICUから出る。

ヒカルは先ほどの看護師に


「小島さんには連絡しました?」

「あれ?連絡来たから、楓ちゃん来たんじゃないの?」

「いえ、偶然です。」

「あっじゃぁごめんなさい、してないと思うわ」

「じゃぁボクから、しておきます」

「いい?ごめんなさいね」

「楓ちゃん、ボク、薫さんに連絡してくるから」


楓は、母親の方を見つめ、黙って頷く。

ヒカルは、その場を離れる。






ヒカルは、電話の掛けられる場所まで来て
薫に連絡を入れる。


「もしもし?薫さん、今どこ?」

「もう、病院の駐車場にいるわ」

「じゃぁ急いで来て、遥さん
楓ちゃんのママ、意識が戻ったんだよ」


「え?意識が戻った?何で?」


「そんなのボクにわかるわけないでしょ
ともかく急いで」

「わかった、あっ正ちゃんにも連絡しなきゃ」

「そんなのボクがしておくから」

「ごめん、頼むわ」


薫は急いで電話を切り、遥の元へ向かう。

ヒカルは正太郎に電話し、急いで楓の元に戻る







二人は、少しならと、遥との面会を許された。

ヒカルは、ICUの外から二人を見守った。

10分ほどしたころ、看護師に促され
二人が遥から離れようとした瞬間
急に機械のアラームが鳴り出した。

キーンキーンキーン


「遥?」
「ママ?」

「どいてください」


周りの看護師や医者が、慌て始める。
そして、心臓マッサージが始まった・・・・。


「はるかーーーー」
「ママーーーーーー」


そこへ、慌ててやってきた正太郎。


「あっ正太郎さん」

「ヒカル君、遥さんは?」

「いや、なんか状況が一変して・・・」


正太郎が中を覗くと、泣き叫ぶ薫と楓。
慌ただしく動き回る病院のスタッフたち。

「え?意識が戻ったんじゃないの?」

「そうなんですけど、急にあんな状態になって・・・」


ヒカルには、何が何だかわからなかった。

看護師に連れられ
ICUの外に、連れ出される二人。
ヒカルが、二人をひとまず抱きかかえる。
正太郎が、その看護師に

「すいません、新田遥の義兄ですが
どうしたんですか?」

「急に、心臓が止まって
今処置してますので、もう少しお待ちください」

「心臓が止まったって・・・」


正太郎とヒカルは顔を見合わせる。

楓は泣きながら

「さっきまで・・・少しづつだけど・・話してたの
楓・・・大きくなってねって・・・」


薫も

「姉さん、老けたんじゃないって
少し笑ってたのよ・・・
でも、疲れるからって、帰ろうとしたら急に・・・」


そこへ、また看護師がやってくる。


「新田遥さんの親族の方?ひとまず、心臓動き出して
また意識が戻りました。でも、時間の問題だそうです、
なので、こちらへ」

「遥・・・・」


薫は、もう一人じゃ立っていられず
正太郎に抱えられながら、中に入る。


「ひーちゃん・・・一緒に来て」

「え?でもボク親族じゃないし」


看護師の方を見ると、頷いている。

ヒカルも頷き返し
しっかりと楓を抱きかかえながら
中に入る。


遥は、全身で
一生懸命呼吸をしているようだった。

皆が近づくと、うっすら目を開け

「はぁはぁ・・姉さん・・・
ごめん・・・楓の事・・・頼むね・・・

楓・・・ごめんね・・・
ママ・・・もう無理みたい・・・・

パパと遼は・・・・どうしてる?・・・・
楓からも・・・謝っておいて・・・・
本当に・・・・ごめんね・・・・」


再び意識をなくす遥。

機械のアラームが鳴り響く。

再び、心臓マッサージが始まる。

「遥!」
「ママ!」

担当医が告げる。

「お姉さん、どうしますか?続けますか?」

薫は泣きながら、楓に

「ママ頑張ったよ
もうパパと遼君の所に行かせてあげよう」


楓も、涙を流しながら静かに頷く。

心臓マッサージが止められ
担当医が、脈と瞳孔を確認し、死亡確認をする。

「午後7時46分 死亡確認」

そこにいたスタッフ全員が
一礼をして冥福を祈った。

薫は一生懸命声をふりしぼり

「長い間、ありがとうございました。」

楓も泣きながらも

「ありがとうございました。」

正太郎とヒカルも、二人と一緒に一礼した。






「ごめん、ヒカル君
また迷惑かけちゃうけど」

「何言ってるんですか
正太郎さんの方が大変なんだから
ボクに出来る事何でもやりますから
何なら峰さんたちにも協力してもらいますし」

「本当に、ありがとう・・・
後・・・楓ちゃんの事も・・・」

「はい、一緒にいる事位しか出来ないけど・・・」

「頼みます。」





それからの数日は、目まぐるしく過ぎて行った。
今回ばかりは薫も、動ける状態ではなく
正太郎一人で仕切らなければならなかった。

ヒカルも、あれからほとんど話さない楓から離れられず
他の事は峰や拓海、海翔たちにすべて託した。

そして、あっという間に通夜葬儀が終わった。







火葬場の煙突を眺めながら・・・
峰と拓海と海翔の会話。


「今は、煙って出ないんですね・・・」

「あぁ」

「なんか、慌ただしく過ぎちゃいましたね・・・」

「あぁ」

「それにしても、人ってあっ気ないですね・・・」

「あぁ」

「ヒカルは楓ちゃんと?」

「あぁ」

「峰さん・・・さっきから
あぁしか言ってないですよ」

「あぁ・・・・なんかな・・・正太郎もだが
薫と楓があまりにも不憫でな・・・」

「そうですよね・・・
せっかく助かったのに・・・」

「こう言っちゃなんだが
こんな辛い思いさせるなら
あの時一緒に・・・・って思う俺は
残酷か?」

「いえ・・・全然、俺も少し思いましたもん・・・」

「俺も・・・ここだけの話ですけど・・・」

「でも、最後、意識戻ったって
言うじゃないですか?」

「らしいな・・・二人とも最後に話が
出来たって言ってたよ・・・」

「それだけが救いですね・・・」

「そうだといいな・・・」






☆☆☆








これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。