プラティニ国際コンクールの後
真一とジャンは、それぞれの弟子を
ヨーロッパ各地に 
指揮者の武者修行?の旅に出した。

(数週間から1か月位づつ
ヨーロッパ各国にいる
指揮者の友人や知り合いに頼んで
いろいろ経験させるため)





☆☆☆


ウィーンの聖良と
今は、イギリスのロンドンで
修行中の風雅のスカイプでの
テレビ電話での会話。



「どう?ヨーロッパ修行の旅は?」

「ん~まぁ、なんとかやってる・・・」

「何?その覇気のなさ・・・もうバテてるの?」

「そう言う訳じゃないけど・・・」

「じゃぁどういう訳よ」

「・・・・」

「・・・・もう、しっかりしなさいよ
せっかくヒカルパパが
いろいろ手配して
いろんな人に
師事出来るように
してくれたんでしょう?
こんな恵まれてること
ないわよ」

「・・・そうなんだけど・・・・」

「じゃぁ何なの?!」

「・・・寂しい・・・・」

「はぁ?」

「一人じゃ寂しいんだ・・・・」


聖良は、呆れて言葉が出ない


「・・・わかってるよ
呆れてるんだろう?
俺だって
情けないって思ってるよ
でもしょうがないだろう
まわりに誰もいないんだぜ
相談したくたってさ」

「じゃぁヒカルでも
アラン?でも電話すれば
いいじゃない?」

「だって、皆
バラバラな所にいるんだよ
今電話したら迷惑かなとか
寝てるかなとか
いろんな事考えちゃって
結局、電話できなくて・・・」


「・・・・そう言う所よ、」

「え?何が?」

「この間の指揮コン
いや、今までの全部」

「今、コンクールの話?
関係なくね?」

「大ありよ!その一見
他の人の事考えて、気を使って
すごいいい奴に聞こえるけど
それって、自信のなさの
表れじゃないの?

ヴァイオリンの
コンクールの時だってそうよ
ヒカルと一緒に出た
コンクール、一度だって
ヒカルよりいい成績
取ったことある?
ないでしょ?
でも、ヒカルが出てない時は
いつも優勝してたじゃない?

ヒカルの実力も
あるだろうけど
実力だけの問題じゃないのよ
その風雅の気弱な所
表面上は
頑張ってるつもりでも
心のどこかで
ヒカルには勝てない
ヒカルはいつも一番じゃなきゃ
いけないって
思ってたんじゃないの?

それって、ヒカルにとって
いや一緒に競ってる人に対して
すっごい失礼な事よ
冗談じゃないわよ!

そんな気を使われて
誰が喜ぶのよ
自己満足よ、最低だわ!」

「・・・・・」

「ほらっそこで、すぐ黙り込む
それがいけないって言ってるの
反論してみなさいよ
そんなことないって
お前言いすぎだろって」

聖良は、画面の向こうで
涙声になる。

でも、風雅は
何を言っていいかわからない。

たまらず、聖良は

「もう、いい!!
そんな風雅なんて、大嫌い!!

そんなに修行がいやなら
さっさとパリに
帰っちゃえばいいのよ!!
寂しいからいやだって
ヒカルパパに泣きつけば!!

じゃぁね!!」

バタン!

聖良は、あまりの怒りに
勢いよく
パソコンの画面を閉じた。

そして、大号泣した・・・・。


そして、風雅は、通信が切れた
パソコンの画面を
ただ見つめるだけだった。







後日

舞と聖良のスカイプの
テレビ電話の会話。


「舞~~~どうしよ~
わたし
すごい酷いこと言っちゃった・・」

画面の向こうで
泣きながら話す聖良。

「たしかに
ちょっと言い過ぎたかもね・・・」

「わ~~~ん」

「ちょっと、落ち着いてよ
そのあと
風雅から連絡あったの?」

「・・・・ない」

「そっか・・・・
まぁかなりへこんでは
いるだろうね・・・
でも、今の所、パリには
帰ってきてないみたいよ
頑張ってるんじゃないの?」

「・・・だといいけど・・・」

「後は、ヒカルね
ヒカルに聞いてみた?」

「・・・何を聞くのよ
風雅コテンパンにしたけど
なんか連絡して来たかって?」

「あはははは~
そうだよね・・・
わかった、私の方で
ちょっと探り入れてみる」


「うん、お願い・・・
じゃぁまた」

通信が切れた後
呆れながらも、笑顔で舞は


「ふぅ~まったく世話が
焼ける事・・・(笑)」







数日後

パリの千秋家。

真一と舞が話をしている。



「へぇ~思い切ったね、聖良ちゃんも」

「はい・・・ちょっと言い過ぎたって
しょげてました」

「でも、風雅からは
なんの連絡もないよ
あっちのスタッフからは
定期的には、連絡は来るけど
特には・・・
頑張ってますよ、位かな」

「そうですか・・・
じゃぁめげずに
頑張ってるのかな
風雅も・・・」

「でも、聖良ちゃんのいった事は
間違ってはいないと思うよ・・・
まぁ、言い方はともかく・・・

多分、風雅も今頃
自覚してるんじゃないのかな・・・
で、なにくそ!
って、踏ん張ってるのかも・・・」

「だと、いいんですけど・・・」

「なんかあったら
知らせるよ、ヒカルには?」

「あっこれから。
まず千秋先生に
聞いてからと思って(笑)

じゃぁこれで
失礼します
忙しい時にすいません」

「いいや、大丈夫、それにしても
いつの時代も
いいもんだね、友情って・・・」

「そうですね・・・
振り回される方は、
たまりませんけどね」


舞は、笑顔で答え、
千秋家を後にした。







翌日

日本・・・・元裏軒。


今度のR☆Sの公演の
打ち合わせの休憩中。

拓海のスマホに着信。

嬉しそうに出る拓海。


「もしもし?舞か?
どうした?

え?ヒカル?
いるけど・・・わかった」


拓海は、スマホから離れて


「ヒカル?
お前、スマホどうした?」

「へ?え?あれ?
どこやったっけ?」


ズボンのポケットやら
周りを探す。


「これじゃね?さっきから
ブ~ブ~いってるけど」

トイレから出て来た海翔が
スマホを手にしながら言った。


「あっ、さっき
置きっぱなしにしたんだ」

拓海は、またスマホで

「トイレに
置きっぱなしだったみたいよ
ああ、わかった言っとく」

「どうしたんですか?」

「舞が、お前が出ないって
一緒じゃないかって?
かけなおすから
今度は出ろって」

「ああぁ、スイマセン」

「ちっ」


むくれる拓海を見て
海翔は意地悪そうに


「残念だったね~
せっかく妹からの
電話だったのに・・・
兄貴じゃなくて
彼氏に用だったんだ~」

「彼氏じゃねえって
言ってるだろうが」

「あはははは」



ヒカルは、拓海がこれ以上
不機嫌にならないように
外に出て、話すことにした。


「え?風雅?
いや、最近は、連絡ないな・・・
なんかあったの?」


舞は、聖良が風雅に言ったことを
簡潔に話した。







「へぇ~そっか・・・
でも、聖良の言う事が
すべてじゃないと思うよ・・・」

「まぁ聖良も
勢い余ってって所もあるしね」

「多分、あいつなら大丈夫だよ
僕にはわかる
長い付き合いだからな
信じて待ってやってよ
聖良にも、そう伝えて」

「そうだよね、私たちの中で
二人が一番、長いだもんね・・・

わかった、ありがとう
ごめんね、忙しいのに・・・

あっごめんついでに
最後にお兄ちゃんに
変わってもらえる?」

「了解~」


裏軒の扉を開け


「拓海さん、舞が話あるって」

「え?まじか、おう、」


照れながらも、
うれしそうに電話に出る拓海。


「舞か?どうだ?元気か?
今度、いつ日本にくるんだ?」


話しながら、外に出た拓海。


「あ~あ、うれしそうに~
さっきまで
あんなにすねてたのに」

「あっはははは
舞も最近は、
拓海さんの扱いに
慣れてきたみたい」

「あいつ、単純だからな~」


海翔とヒカルは、大笑いする。






数か月後・・・・


ヒカルに風雅から着信。


「よう、久しぶりだな?
どうだ?今どこ?」

「うん、何とかね・・・
今、ドイツ・・」

「ふ~ん・・・どうした?」

「・・・お前の事だから、
舞経由で
俺と聖良の事聞いてるだろ?」

「え?・・・あぁまぁ、
ざっくりとは・・・うん・・・」

「俺さ、来月から
ウィーン行くんだ」

「うん・・・」

「でさ・・・
聖良にプロポーズする!」

「そっか・・・
ん?・・・プロポーズ?
はぁ?何で?」

「何でって、そりゃ・・・・
好きだから・・・」

「いやいや、そんなの今に
始まったことじゃないじゃん
だって、あれから聖良に
連絡とったのか?」

「いや・・・」

「そうだろう?で?
数か月ぶりにあって
いきなりプロポーズ?
何でそうなる?」

「いきなりじゃない!
ずっと考えてたさ・・・
でも、ずっと自信がなくて・・・
でも、この間、ガツンと言われて
俺、気が付いたんだ・・・
やっぱり甘えてたんだって・・・

聖良が聞いたら
何を今更って言われそうだけど・・・・
だから、俺、頑張った
すごい、血反吐吐くまで・・
は大げさだけど」

ズコッ吐いてないんかい」

「それぐらいってことだよ!
こんなに頑張ったの
生まれて初めてかもしれない」

「・・・・で?」

「だから、こんなに頑張れたのって
聖良に言われたからなんだ
あの時、聖良に言われなかったら
俺今頃・・・どうなってたか・・・」

「・・・・でも・・・」

「すぐじゃないよ
あっち行ったら
また指揮コンがあるんだ
そんなに大きい大会じゃないけど・・・
それに出て、しっかり結果出して
それで、プロポーズする!!」

「・・・ふぅ~・・・本気なんだな?」

「ああ」

「そっか・・・・
でも・・結果出なかったら?」

「おい!お前は
俺を信じてないのか?」

「いや、そう言う訳じゃないけどさ・・・
他の連中は出るのか?
何だっけ?
アランとか
あと佐藤さんの所の奴とか?」

「いや・・・アランは
別の所のコンクールに出るから
ヤマトは、多分、もう指揮コンには
出ないんじゃないかな・・」

「ふ~ん・・・」

「何だよ?」

「じゃ尚更だな・・」

「だから何が?」

「1位だよ」

「え?」

「結果出してって
言ってたけどさ・・・
誰かの言葉じゃないけど
最高で1位
最低でも1位って事だろう?
ライバルもいないんだし・・・」

「・・・・そうなるかな・・・」

「何だよ、そのつもりじゃ
なかったの?」

「そうなるといいな~
とは思ってたけど・・・」

「・・・・
やっぱ、お前は何も
変わってないな!!」

「え?」


「俺は、お前を信じてたんだ
今度こそって
聖良にも、
お前を信じて
待っててやれって・・・
それなのに、相変わらずだな
その甘ったれな所!」

「・・・・もう俺は
甘ったれなんかじゃない!」

「じゃぁ、はっきり言ってみろよ
今度の指揮コンで
死んでも1位取るって。」

「・・・・」

「ほら・・・言えないじゃん・・」

「・・・1位取るよ
当たり前じゃないか!
絶対、1位取って
聖良にプロポーズしてやる!!
見てろよ!」


風雅は、勢い余って
電話を切ってしまった。


「???ふっ・・・
言えたじゃん・・・・
頑張れよ・・・風雅・・・」


ヒカルは
いつまでもスマホを見つめ
風雅と過ごした学生時代を
思い出していた・・・・。





☆☆☆



すいません、スカイプだのスマホだの
相変わらず、先の未来のはずなのに
今の時代にリンクした環境です。

その辺は、お許しください。


はい、いよいよ風雅と
聖良の結婚?に向かって
物語が進み始めました。

聖良の風雅に対する感情と
ヒカルの風雅に対する感情の表現が
なんだか
ひっちゃかめっちゃかですが
それだけ、二人は風雅の事
心配してるって事で
よろしくお願いします。

それでは、また~♬