このお話は、美音ちゃんが
生まれて間もない頃のお話です。


真一が、久し振りに
Ruiと共演すると
決まったのですが・・・。





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ウィルトール交響楽団の
定期公演のパンフレット。

〇月×日 

ゲスト:孫 Rui

演目:~~~~~

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~真一の部屋~


身支度をしている真一。

そこへ、勢いよく入ってくるのだめ。


「なんだよ、ノックもせず」


真一が振り向くと
そこには無表情ののだめ。

手には、今度の定期公演の
パンフレットが握られている。

真一は、ギョッとする。

のだめは、淡々と


「真一君・・・・」


真一は
どうしたらいいかわからず
目を反らしながら


「はい・・・・」

「今度、Ruiと共演するんですか?」

「はい・・・・」

「何で黙ってたんですか?」

「いやっ別に・・・
黙っていたわけじゃ・・・」

「ふ~ん・・・」


そう言うと、のだめは
くるっと踵を返し
部屋を出て行った。


「のだめ?」


真一は、慌てて部屋を出て
のだめの姿を探すと
のだめは
何事もなかったように
ソファの上で
美音をあやしていた・・・・。

真一は、背筋がゾッとしたのを
感じたのだった・・・。












Ruiとのリハーサルの日。


真一が、支度を終え
出かけようとした時
ヒカル(5歳)が
駆け寄ってきた。


「パパ~~」

「ヒカル、ママは?」

「出かけたよ」

「どこに?」

「わかんな~い」


無邪気に答えるヒカル。

そこへ
征子がやってきて

「あら?のだめちゃんなら
美音ちゃん連れて
お友達に会ってくるって
ちょっと前に出かけたわよ」

「友達に?誰だか聞いた?」


征子は、首を振った。

真一は、嫌な予感がして


「母さん、ゴメン
ヒカル頼むね
俺、もう出るわ」

「あっそう?
いってらっしゃい」


真一は
慌てて車に乗り込み


「おいおい
のだめ、早まるなよ」


真一は、不安に襲われながら
車を走らせ
リハーサル会場に向かった。








~リハーサル会場~


Ruiの楽屋前まで来た真一。

息を切らしながら
ドアをノックしようとしたら


「ハハハハハ~
やだ~のだめさん
信じられない」


Ruiの笑い声が聞こえる。


真一は、ノックを忘れて
慌ててドアを開ける。


ビックリして
Ruiとのだめが、振り向く。


「真一君!どうしたんですか?
そんな慌てて」

「チアキ!
久しぶり!元気だった?」


真一は
ハアハア言いながら


「のだめ、何してんだ!!」


のだめは、キョトンとして


「何って?Ruiと
お話してるんですけど?
ねっ?」


のだめは、Ruiに振る。
Ruiも、頷く。


「話って??」


真一は、何がなんだか、わからず
二人を交互に見つめる。


「だって~久しぶりに
ノダメと直接会うから
それにミオは
はじめましてだしね」

Ruiは
美音のホッペを
ツンツンしながら
嬉しそうに答えた。


「直接?」

「あれ?真一君
知らなかったんですか?
のだめとRuiは
LINE友達だし
しょっちゅうスカイプの
テレビ電話でも
お話してるんですよ。」

「へ?」


真一は
ぷちパニック状態。


「(日本語)でも、のだめ
お前いつもRuiの事になると
わけわかんなくなるじゃないか」

「??」

Ruiが、キョトンとする。

のだめは、すっとぼけて

「(日本語)何、そんな昔の話。
今は、親友ですよ、二人は」

「シンユウ、シンユウ」


Ruiは、親友という日本語は
わかったらしく
繰り返す。


「何だよ、それ・・・・」


真一は、一気に体の力が抜け
その場にへたり込んでしまった。


そんな真一を見て
のだめとRuiは
顔を見合わせ
大笑いするのであった・・・。










リハーサル後、帰宅する車の中。
美音は、後ろのチャイルドシートで
静かに寝息を立てている。

しばらく、無言の後
のだめが

「ふふふ・・・もしかして
Ruiと共演すること
怒ってると思ったんですか?」

「・・・別に・・・・
いや、そう思ってた・・・」

「たしかに・・・・
昔は、正直、真一君が
Ruiと共演するの嫌でしたよ」

「・・・・・」

「だってRuiも
真一君の事が好きなの
わかったてたし・・・
でも
そんなの昔の話だし・・・・」

「・・・・Ruiとは、いつから?」

「ん?ん~いつからですかね
・・・何年か前に
アメリカで
リサイタルした時に
楽屋に来たんですよ
Ruiが・・」

「楽屋に?
そんな事、初めて聞いた・・・」

「だって、言ってないですもん
その後
一緒に食事をしたんです・・・」

「二人で?」

「はい・・・で、いろいろ話しました。
沢山・・・Ruiの事、のだめの事
そして、真一君の事も・・・」

「俺の事・・・・?」

「で、改めて
そこでお友達になりました。
それからです
しょっちゅう連絡取りあって
ツアー先で
近いところにいると
ちょっと落ち合って
お茶したり、ご飯食べたり
楽しかったですよ」

「へ~・・・じゃぁなんで
俺と共演するの
知らなかったの?」

「あっ、それは
美音ちゃんが生まれたり
Ruiもいろいろあって
しばらく連絡してなかったんで」

「ふ~ん・・・
俺は、てっきり・・・」


のだめは、軽くほくそ笑んで
でもすぐに寂しそうな笑顔になり


「Ruiのお母さん
亡くなったんです」

「え?」

「美音ちゃんを産む
ちょっと前ですかね・・・・」

「そうだったんだ・・・
知らなかった・・・」

「何年か前から
体調悪くしてたらしいです・・・」

「・・・あのお母さんが・・・・」

「だから、今日、美音に会わせたら
すごい喜んでましたよ
生まれ変わりだって(笑)」

「はぁ、やめてくれ」

「ふふふふふ・・・」

二人は、そのまま無言になり
家に着くまで
一言も話さなかった・・・・。









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