すいません、こんどこそ!



☆☆☆


翌日、昼前、真一とのだめは
慌ただしくパリへ出発。

娘の美音は、夏休み中という事もあり
しばらく峰家へ滞在することに。
(聖良も、しばらく夏休み)

そして、ヒカルは拓海と海翔と共に
舞とオリバーの宿泊するホテルへ向かう。






「Come in」

オリバーに促され、3人は部屋の中に。

(会話は、英語です)

「え~と、昨日はどこまで、話したっけ?」

「舞のお兄さんの身辺調査を
エリーゼに頼まれたって」

「そうそう、調査って言っても
ほとんど終わってて
後は本人に
簡単に確認するだけなんだ」

「ちょっと待って
なんで、舞の親族を調べてるの?」

「だって、うちは
プロのアーティストを
あずかる事務所だよ
これから所属するアーティストの
身辺調査するのなんて
当たり前じゃないか」

「そりゃぁそうだ
本人はともかく
身内にやっかいなのが
いたら問題だもんな」

「俺の事は、誰から?」

「そりゃ、舞のお父さんからだよ
小さい頃に親戚に
養子に出した息子がいるって。
名前も、Kai(海)から
拓海に改名してるって。」

「知ってたんだ・・・」

「後、歯科医になるために
学校に行ってることもいってたし
多分、まだヴァイオリンも
やってるだろうって」

「へぇ~拓海の親父さん
ちゃんと気にかけてくれてたんじゃん」

「・・・・・」

「舞は?この事
舞は知ってるんですか?」

「ん~特に僕らかは、話してないよ
お父さんも
覚えてないだろうからって」

「じゃぁ、言わない方がいいのかな」

「?」

「いや、今回、舞に会ったのも
奇跡みたいなもんだし
せっかくの機会だから
帰る前に名乗り出た方が
良いんじゃないかって
話してた所なんだよ。」

「なるほど」

「あのさ、個人的な興味で悪いけど
拓海はアメリカのお父さんと
舞の事、どう思ってたの?」

「え?・・・・・どうって・・・・」

「いや、これは、エリーゼから
聞いた話なんだけど・・・・」

「?」

「実は、お母さんが、亡くなる前後って
お父さんの会社が
ちょっと危なかったらしいんだ」

「危なかった?」

「うん、でそこに、お母さんの死で
当たり前だけど、お父さんは
かなりショックだったんだって・・・」

「まぁそうだろうね・・・」(海翔)

「その頃の拓海は
すごいかわいかったんだって・・・
女の子みたいに(笑)」

「たしかに、この間見せてもらった
写真でも、そうだったな(笑)」

「で、似てたんだって・・・・」

「似てた?」

「お母さんに・・・」

「ああ」

「君は、小さい頃から、お母さんの元で
ヴァイオリンをやっていただろう?」

「あっはい」

「尚更だったんじゃないかな」

「でも、舞もいたわけだし」

「舞は、もうそれ以前から
ほとんどおばさんの所に
預けられることが多かったらしい」

「で、ちょうど、子供のいない
お母さんのお兄さん?から
拓海を引き取りたいって
言ってきたらしいんだ」

「お父さんも
最初は悩んだらしいんだけど
その時の状況じゃ
君を育てていく気持ちの余裕がなくて
おばさんに二人は
預けられないししょうがなく
お兄さん夫婦に預けたんだそうだ・・・。」

「・・・・・」

「で、実は、ここからの話は
今の君のご両親から
聞いたんだけど・・・・」


拓海は、ビックリして


「え?親父たち、そんな事一言も・・・」

「アメリカのお父さんから
連絡先聞いて
こっちに来る前に
電話で話はさせてもらったんだ
まぁチアキに通訳してもらいながらだけどね」


今度は、ヒカルがビックリして


「え?父さんに?
じゃぁ、父さんたち、知ってたの?」

「まぁね、でも二人が
あんな状態だったから(笑)
あとは、こっちで何とかしてくれって」

「なんだ、結局、知らないのって
当の本人たちだけ?」

「まぁひとまず、その話は、置いといて
澤村の両親から聞いた話って?」

「あぁそうだったね
アメリカのお父さんは
出来る限り君に
ヴァイオリンだけは続けさせてくれって
頼んだらしいよ。」

「え?」

「まぁお兄さん夫婦に預けた以上
将来は歯科医だとしても
趣味でも何でもいいから
本人が辞めない限りって
言ってたらしい。」

「・・・・・」

「アメリカのお父さん
後悔したらしいよ
君をお兄さん夫婦に預けた事・・・
でも、今回の事で、
今の君の状況を知らせたら
安心していたよ
あの時の判断は
間違っていなかったんだって」

拓海は、涙が出てきて
何も言えなかった。

海翔とヒカルも、そんな拓海を見て
喜びの表情を浮かべた。


そこへ、ドアをノックする音が。


オリバーが出ると、舞がいる。


「舞、もう終わったのか?」


時計を見るオリバー。

「ちょっと早めに終わったみたい
もうこれで、全部終わりよね?
荷物まとめていいかしら?」

「舞、聖良の所に行く前に
ちょっといいかい?」

「?いいけど」

舞は、オリバーに言われて、
部屋の中に入る。
ヒカル達に気が付き、ビックリする。

「ヒカル、来てたの?
え?何で、二人も?」

ヒカルは、オリバーに

「オリバー
まさか今言えって?」

「その方がいいだろう?
ちょうどいい機会じゃないか」

「そうだけど・・・・」

ヒカルは、拓海の方を見る。

拓海は、目が真っ赤だが
少し落ち着いたようだ。

「構わない、でも
ちょっと顔洗ってきていい?」

「うん」

舞は、何がなんだかわからず
ヒカル達の前に座り
少し緊張している。

しばらくして戻ってきたヒカルは
コンタクトレンズを外して
眼鏡をかけて来た。

皆、少しびっくりしたが
舞が一番ビックリしている。

「え?拓海?」

「ごめん、コンタクトが
ずれて痛かったから、外してきた」

拓海は、椅子に腰かけ
深呼吸する。

「舞ちゃん、今から話すこと
本当は、ボクの口から
言っていい事か
どうかわからないんだけど、
この機会を逃したら、
正直、もう二度と
チャンスがなさそうだから
思い切って話すね・・・・」


と、拓海は、小さい頃の二人が
写っている写真を差し出す。


「ここに写っている子供たち
誰だかわかる?」


舞は、恐る恐る写真を
手に取り、見つめた。


「え?これ、私・・・・と
夢の中の男の子?」

「ん?夢の中の?」

「うん、誰だかわからないけど
よく小さい頃から夢の中で
いつもヴァイオリンを
弾いているの
見た目は、女の子みたいなんだけど
誰かが・・・カイって」

「?!」

「この子、どこの子なの?
写真があるって事は
あれは・・夢じゃなくて・・・
現実に存在してるの?」

「目の前にいる」

「え?」

舞は、写真と拓海の顔を
交互に見ながら

「あなたが・・・・カイ?」

「うん」

「・・・・・あなたは・・・誰?」


そう聞かれ、拓海は、言葉に詰まった。
いざとなると、中々言い出せないのだ。

しびれを切らした海翔が

「もう、しょうがないな、舞ちゃん
君の目の前にいる
澤村拓海の本当の名前は
Kai Anderson
君の兄貴だ」

舞はビックリしたが
笑顔になり

「・・・やっぱり・・・・」

「え?」

ヒカルが、不思議そうに

「舞、気が付いてたの?」

「ううん、でも
初めて拓海にあった時
なんだか懐かしいやら
不思議な気持ちになったの・・・

でも、名前を聞いても
聞いたことなかったし
気のせいかな?と思ってた・・・

でも、今
はっきり思い出した・・・
小さい頃、いつも
ママが小さい男の子に
ヴァイオリンを教えてて
その子の奏でる音が
すごい綺麗で、その音色を聴くと
嬉しい気持ちになってた・・・」


「舞・・・・」

舞は、嬉しそうに
そして愛おしそうに
写真を抱きしめながら


「お兄ちゃんだったんだ・・・・
うれしい」


拓海は、不安そうに


「本当に?」

「うん、わたし
ヒカル達が羨ましかった」

「え?ボク?」

「だって、ヒカルも聖良も風雅も
皆兄妹もいるし
仲のいい両親もいる・・・
ずっと私には
ヴァイオリンしかないって
思ってた・・・」


ヒカルは、申し訳なさそうに


「舞・・・・そんな事思ってたの?
全然気が付かなかった・・・ごめん」

ヒカルは、悲しそうな顔で
頭を下げた。

「ヒカルのせいじゃない
それに、皆私に
家族のように接してくれた
チアキも、のだめママも
日本に来たら
聖良のパパとママも
だから、全然、寂しくなかったよ
でもやっぱり時々
一人になるとね・・・」

「舞、今回は無理かもしれないけど
今度、俺を育ててくれた両親を
紹介するよ
二人とも会いたがってたんだ」


舞は、嬉しそうに


「うん、楽しみにしてる」


「拓海、よかったな」

「あぁ、ありがとう、海翔・・・ヒカルも・・・

(E)そしてオリバー
オリバーに話聞けなかったら
まだ迷ってたと思う
本当にありがとう。」

「いいや、ボクは
たいしたことしてないよ」

ふとヒカルが、時計をみる。

「あっ、もうこんな時間
舞、聖良待ってるんじゃないか?」

「あっ本当、荷物まとめてくる。
ヒカル達は?」

「どうせ、方向一緒だし
待ってるから、一緒に行こう」

「うん、じゃぁ急いで支度してくるね」

舞は、慌てて自分の部屋に戻る。


ヒカルは、喜びあう拓海と海翔を見て
心から、よかったと思うのであった。







この後、4人で、ホテルを後にし
裏軒で、今日の報告を
聖良と美音にして
(美音は、いきなりいろんな
話を聞いたので
パニっくっていたが)

舞の日本での最後の夜を
皆で過ごした。






翌日の昼過ぎ

裏軒前に、オリバーを乗せた
タクシーが止まる。


聖良、美音、ヒカル、海翔
そして拓海がいる。

「舞、ボクらは、ここでさよならだ
またぜひ日本に来てくれよ」

「ヒカルもね、たまにはパリに
帰ってきてよ、皆喜ぶから」

「まぁそのうち(笑)」

「舞、本当によかったね
お兄ちゃんと会えて
またウィーンに戻ったら
連絡するから」

「うん、待ってる」

「舞お姉ちゃん・・・・
特に言うことないわ
パリに帰ったら
いつでも会えるし(笑)」

「そうだね(笑)」

「舞ちゃん、拓海を
受け入れてくれて、ありがとう
こんなに明るい拓海
見るの久し振りだわ、元気でな」

「そんな~あたしも
お兄ちゃんが
いることがわかって
とっても嬉しかった・・・
海翔さん、お兄ちゃんを
よろしく頼みます。」

「なんだよ、それ
じゃぁ俺は、空港まで行くから」

「あぁ、少しの間だけど
兄妹でじっくり話しろ」

「うん、ありがとう」

「皆、本当にありがとう
また絶対来るから」

「うん、じゃぁね」

「バイバイ」

「またね~」

それぞれ舞を見送り、タクシーは
3人を乗せ空港に向かった。


「あ~あ、行っちゃった・・・」

「それにしても
今年の夏は、目まぐるしかったな・・」

「そうですね・・・・」

「ね、まだ帰らないんでしょ?
スイカあるから
食べてく?」

「おう!いいね~」

「キンキンに
冷えてるんだろうね?」

「あったりまえ~」

「あははははは」

ヒカル達は、急ぎ足で
過ぎていく夏を惜しみながら
冷えたスイカを
頬張るのであった。







End




☆☆☆


あれ?終わっちゃった?(笑)

まぁ第3章のメインは
拓海が舞の兄だった。
ってことで始めたので
舞にその事を伝えることによって
話しは、終わりなんですが・・・

やはり見切り発車で、始めた巴里編
どうしようかな~と、未だに浮かびません。

日本編の方は、まだ番外編として
話しが、一つ浮かんでいるので
それは、またそのうちに・・・・


それでは、また~