さらに続き


舞のガラ・コンサートの日まで、
ヒカルと拓海たちは、お互い忙しくて、
会う機会がなかった。

そして、コンサート当日。

またYouTube仕込んであります。
音量に注意してください。


※7月11日 若干、修正しました。


☆☆☆

国際コンクール1位
Mai Anderson
(マイ・アンダーソン)
ガラ・コンサート

演目

 

「ベートーベン 
ヴァイオリン協奏曲 2長調」



「メンデルスゾーン 
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調」









コンサートも無事に終わり、
ヒカルは峰、清良、真澄と共に
舞の楽屋を訪れていた。



「舞ちゃん、一段と腕を上げたわね」

と、清良。

「そんな事・・・あります(笑)」

舞は、笑って答える。

真澄は、驚いて


「あら、言うわね~(笑)」

「でも、本当に、上手くなったよ、
もう僕の現役の時より
上手いんじゃないか?」

「お~ヒカルも、
そんな冗談言うようになったか?」

「いや、冗談じゃなく、本気なんだけど(笑)」

「そうだと、うれしいな、
もう必死で練習してるし」

「さぁ、プレッシャーかけるわけじゃないけど
次は、ライジングスターで、
私の代わりに頼むわよ」

「おい、十分、プレッシャーかけてるぞ」

「あら?そんなつもりは
ないけどね~あはははは」

「でも、本当、他のメンバーも
楽しみにしてるよ
世界的に有名なプロ奏者の人たちが。」

「あら、ヒカル君まで、
プレッシャーかけて、
今頃、ライバル心?」

「やだもう~おどかさないでよ~」


この後、舞は、
オケの人たちとのパーティーに出席。
ヒカル達は、その場で
解散することになった。






しばらくすると、
拓海からLINEが入る。

(話がある。あさっての夕方、裏軒にて)

「?話?何だろう?」

(了解ですが・・・
今日、舞のコンサート
観てくれたんですよね?)

そう返信するも、
しばらく既読にはならなかった。






2日後の裏軒


ヒカルは、昼過ぎから、
ここで譜面とにらめっこしていた。
(峰から頼まれた件と、
エリーゼに頼まれた件と格闘中の模様)


そこへ、拓海と海翔がやってくる。

「よっ、悪いな、忙しいのに、それにしても、
だいぶ、暑くなってきたな」

海翔は、いつもどおり。


「本当にごめんね」

拓海も、今日は、いつも通りだ。

海翔は、思い出したように興奮して


「舞ちゃん、すごかったね~
初めての日本公演とは、
思えない堂々とした演奏だったよ、
あそこまでとは思わなかった」


「ボクも、久し振りに聴いて、
ビックリしました。
もう全然かないませんよ(笑)」


拓海が、急に真顔になって


「ヒカル君、この間は、
申し訳ない、急な事で
どうしていいかわからなくて・・・」

「いや、え?急な事?」


拓海は、ヒカルの前に座り


「・・・うん・・・でなんだけど・・・」


ヒカルは、不思議に思いながら


「はい?」

「今日は、ちょっと君に
話しておきたい事があって」

「あっはい」


ヒカルは、テーブルの上の楽譜を
まとめて、端に寄せた。


「あっちょっと、長くなるから、
先にお茶入れるよ」


海翔が、立ち上がって、
カウンターに向かう。


「あっすいません」


拓海は、構わず話し出す。


「実は・・・ヒカル君に・・・ボクの事で、
話していなかった事が、2つあるんだ」

「話していない事?」

「うん・・・」

と、黒縁の眼鏡と
コンタクトレンズのケースを出した。

ヒカルは、黙ってみている。

そして、拓海は、
おもむろにコンタクトレンズを、
外し始めた。

「え?」

ヒカルは、驚きを隠せなかった。

なぜなら、レンズを
外した拓海の両目は、
きれいな青い色をしていたから。

拓海は、眼鏡をして、改めて

「実はボク・・・アメリカ人と
日本人のハーフなんだよ」

「はぁ・・え?」

「うん、今の両親は、二人とも日本人。
ボクは、養子なんだ。」

「養子?」

「うん、まぁ正確には、母の兄の養子、
今の両親は、本当は伯父さんって訳」

「っていう事は・・・」

「そう、本当の父がアメリカ人」

「ふ~ん・・・・」

「まぁ5歳の頃、本当の母が事故で亡くなって
子供のいない伯父に、歯医者の跡取りとして、
引き取られたんだけど・・・」

「だけど・・・?」

「ボクには、2歳下の妹がいてね・・・」

「妹・・・?」


ヒカルは、最初は、
まったく見当がつかなかった。


「妹は、アメリカの
父のもとに残ったんだ・・・」


ヒカルは、いろいろ考えを
巡らせている・・・そして。


「・・・・・・・あっもしかして、
その妹って?」


ちょうど、飲み物を入れて、
戻ってきた海翔が


「お?ヒカルく~ん、ようやくわかった?」


ヒカルは、あまりにもビックリして、
目を見開き


「え?拓海さんが、舞のお兄ちゃん?」


と、そこへ


「え~~~~~うそ!
舞に、お兄ちゃんなんかいたの?」


奥の階段から、
女性のビックリした声が、
聞こえてきたから
3人とも、もっとビックリしている。


「聖良?!」

ヒカルが叫ぶ。

「あっごめんなさい、
立ち聞きするつもりは、
なかったんだけど・・・」


なんと聖良が、
恐る恐る階段から降りてくる。


「え?誰?」


海翔が、ビックリして聞く。


「あっ、すいません、
峰さんの娘の聖良です。
今朝、帰国したばっかりで・・・
てっきり、上で休んでるのかと思ってて」


聖良も、申し訳なさそうに


「本当にごめんなさい、
ちょっと喉が渇いて・・・
上に何にもないから・・・
降りてきたら、話し声が聞こえたから
つい・・・あの、飲み物もらったら、
上に戻りますので、
お話の続きしてください、はい」


と聖良は、カウンターに入って、
拓海たちの方を
気にしながらも準備を始める。


「拓海、どうする?」

「はぁ~聖良ちゃんだっけ?」

「え?はい」

「聖良ちゃんも、舞の友達なんだよね?」

「あぁはい、パリでは、一緒に学びました」

「そっか、じゃぁ時間あるなら、
君も聞いてくれるかな」

「え?いいんですか?」

「だって、あそこまで聞いたら、
気になるでしょ?」

「えぇまぁ・・・」


結局、聖良も交えることに。






改めて、聖良に二人を
紹介したヒカル。
聖良は、興味津々で、
拓海の話を聞いている。

ヒカルも、身を乗り出しながら

「え?じゃぁ拓海さんの事、
舞は覚えてないの?」

「多分ね・・・最後に別れた時、
あの子は3歳だったから・・・
正直、ボクでさえ、
本当の両親の顔も裏覚えで、
この間、ヒカル君に
舞の事聞くまで、舞の名前すら
忘れてたくらいだから・・・」


ヒカルは、首をかしげながら


「ん~そうかな・・・」

「え?」

「いや、実は、この間、
拓海さんが変だった日、
帰りのタクシーの中で、舞が・・・・」



~回想~

「ねぇヒカル・・・」

「うん?」

「あのタクミって、どんな人?」

「え?拓海さん?どんな人って?
え~っと、普段は、もっと話をする人で
いい人だよ、今日は、
ちょっと調子悪かったのかな~」

「ふ~ん」

「何?気になるの?」

「ううん、そうじゃないんだけど・・・
私、急に思い出したの」

「何を?」

「あの二人が、
歯医者さんになるって聞いて、
そういえば、
ママの日本の家?実家って言うの?
歯医者さんだった気がするって・・」

「へ~え、そうなんだ、奇遇だね・・・」

「うん・・・」


~回想終わり~




「って。」

「でも、それだけでしょ?」

「う~ん・・・でも、最初にあの店で、
拓海さんの顔見た時、
一瞬、舞が固まってるように、見えた」

「あっそうかも、なんかヒカルが、
大丈夫?とか聞いてたよな?」

「うん、あれ?と思ったんだけど、
後、拓海さんの名前聞いた時も
なんだか、違和感を感じた気が
するんだけど・・・・」


「へぇ~ヒカル、
舞の事、よく見てるじゃん」


聖良が、茶化す。


「あっ、やっぱり、舞ちゃんとヒカルって、
そういう関係なの?」


海翔も悪ノリする。


「ちがうよ」


ヒカルは、さらっと否定する。


「ん~とね、わかんない(笑)」


聖良は、とぼける。


「なんだよ、それ~」


「海翔、ふざけんなよ」

拓海は、ちょっとムッとして

「お~怖っ、さっそく
お兄ちゃん風吹かせてる?」

「うるさい、あっそうだ、名前と言えば、
僕の名前、日本に来て改名してるんだよ」

「へ?そうなの?」


海翔がビックリ。


「うん、アメリカ名は、
Kai Anderson.」

「カイ?」

「日本に慣れるためにって、
拓海にしたらしいんだけど、
漢字は、元の名前から、
取ってるって言ってた。」

「ああ、海でカイ。」


聖良が、口を出す。


「その場にいなかったから、
わかんないけど、もしかしたら
拓海さんが、パパかママに
似てるんじゃないの?」


拓海はすかさず


「え?でも、コンタクトしてたし」


聖良は不思議そうに


「ん?コンタクト?」


ヒカルが代わって、説明する。


「ああっ、聖良は、拓海さんが
コンタクト外してから、来たんだっけ?
拓海さん、普段、
黒いコンタクトしてるんだって。
ボクも、さっき初めて知ったけど」

「へ~え、そうなの?
じゃぁママに似てるんじゃない?
だって、正直、今は目が青いから、
外人に見えるけど
普段は、そうじゃないんでしょ?」

海翔が、腕組みながら

「そうだな、普段は言わなきゃ、
ハーフだってわからない位日本顔?」

「じゃぁやっぱりそうよ、舞だって、
ママの写真位持ってると思うし
で、名前も、うっすらだけど、
頭のどこかにあって、違うから
あれ?と思ったんじゃないの?」

「ヒュ~聖良ちゃん、するどい!
今度、ボクとデートして」

「はぁ?」


ヒカルは、さりげなく


「海翔さん、こいつには、
彼氏がいますよ」


海翔は、ニヤニヤしながら


「あっそうなの?
でも、ボクも彼女いるから、大丈夫~」


「ちょっと、何なのこの人~?
何が大丈夫?
しかも、ヒカル、今、あたしの事
こいつ呼ばわりしたでしょ?
日本に来て、口悪くなった?
あっこの人の影響じゃないの?」


ヒカルは、慌てて


「え?ちょっと待って、
今は、そんな事言ってる場合じゃ・・・」


聖良は、我に返り


「あっそうか、ごめんなさい。
で、なんだっけ?」


拓海は、笑いながら


「あははは、面白いね、
さすが、峰さんの娘」


聖良は、ふてくされて


「やめてよ、パパを持ち出すの」







ヒカルが、改めて聞く。


「で、結局、拓海さんは、
どうしたいんですか?」


拓海は、悩みながら


「どうしたいって・・・・」


聖良は、カップの中身を
かき混ぜながら


「そうよ、せっかくの機会だから、
名乗り出たら?」


拓海は、不安そうに

「でも、本当に、記憶になかったら?
あなたなんか知らないって
言われたら、
ちょっとショックかも・・・・」


「でも、舞が妹って、確実なんでしょ?」


「あぁ、父さんに確認した。
確かに、妹の名前は、舞で・・・」


拓海は、ポケットから
1枚の写真を出した。


「小さい頃のボクたちだって」


そこには、幼い男の子と
女の子が写っていた。


「かわいい~本当だ、舞、面影あるね~」

「本当だ、そのまんまだ、
拓海さん、こう見ると
小さい頃は、ブロンド?」

「ん~明るい色だったかな、今よりは」


ヒカルは、


「じゃぁ、たとえ舞が覚えてなくても、
名乗り出てもいいんじゃないんですか?」


海翔が、心配そうに


「それとも、親父さんたちが
反対してるとか?」


拓海は、明るく


「いや、それはない、舞の事話したら、
ビックリしてたけど
お袋なんて、会ってみたいって」

「ふ~ん、じゃぁ後は、舞自身か・・・」

聖良は

「舞のリハっていつから?」

「明日から。」

「だから、今日話しに来たんだよ、
あのままじゃ、
なんか気まずくて・・・」

「そう、ヒカルだけにでも、
話とけばって、
予想外の人にも話すことに
なっちゃったけど」

「えへへ、ごめんなさい」

舌を出す聖良。


「でも、話すにしたって、いつ話すの?
公演の前?後?」

ヒカルは、笑いながら

「ん~いくら、ライジングスターとはいえ、
意外と、緊張してるみたいだったからな~
この間の公演の後、話したら・・・」

「あ~あ、私も聴きたかったな~」

「聖良ちゃん、今日来たんだっけ?」

「そう、あっちの学校で、
どうしても受けなきゃ
いけない試験があって・・・・」

「聖良は、どれくらい舞の
演奏聴いてないの?」

「ん~とね・・・
コンクールは見に行ったのよ。」

「優勝したっての?」

「うん。え~と、去年の冬頃?すごかった~
やっぱり、舞はソリストで、
やっていくべきだって思ったわ。」

「聖良ちゃんは、コンクールは出てないの?」

「え?私?ん~そうね・・・・
ウィーンの1回出た・・・」

「結果は?」

「・・・・3位・・・」

「すごいじゃん」

「すごくないよ・・・」

「そうなの?」

「だって、ヒカルも舞も、風雅でさえ
何回も優勝したことあるのに
私は、いっつも3位どまり・・・
パリじゃ、皆がいたからだって、
自分をごまかしてたけど
結局、どこいっても同じだった・・・・」

「そんなことないだろう?ねヒカル?」

「ん~ここで、ボクが何か言っても、
恐らく反感を買うだけなので、
控えさせていただきます(笑)」

「もう、ヒカルのバカ!」

「なんだ、結局、文句言われるのか」

「ところで、風雅?って誰?」

「ああ、それは、気にしないで。」


聖良は、とぼける。


「聖良の彼氏」

「もう、本当、ヒカルのバカ!」

「何言っても、ボクって文句言われるのね
どうでもいいけど、話し戻そうよ」


「どうでもよくないけど?
まぁしょうがない、
今は、舞の事だもんね」

「でも、結局、拓海が舞ちゃんに、
名乗り出るか否かって事でしょう?」

「それだけなんだけど、
それが一番難題なんだよな・・・」


「はぁ~~~」


4人は、腕を組んで、
一斉に、ため息をついた。







☆☆☆

また終わんなかった(笑)


まぁありがちな展開ですが
そうなんです、
拓海は、幼い頃に離れ離れになった
兄だったのです。

もう笑うしかない?

すいません(^^;

しかも、後半、会話文ばっか。

もう誰が誰かは、
想像して読んでください。

いよいよ次回は、舞に伝えるのか?
R☆Sオケの公演は、描くのか?

ではでは、See you~