記念すべき、50話目。


第3章から登場した大学生の二人。

この辺で、もうちょっと
二人について、語るのもありかと・・・。


☆☆☆



S大キャンパス内


文科系学部の校舎の一角にある
いろんなサークルの部室。

S大には、理数系学部の校舎も
別にあるのだが
大学全体のサークルの部室は
一括して文科系学部の校舎内にある。


S大歯学部に通う
澤村拓海と鈴井海翔は
「クラシック研究会」という
サークルに所属している。

まぁ研究会と言っても
クラシック好きや楽器が
演奏できる者が
集まり、音楽談義や、情報交換
時には学祭やイベントなどで
有志が集まり、演奏会も開いている。







拓海と海翔は、大学に入学してすぐ
このサークルに入った。
そこで、初めて知り合ったのだが・・・。


拓海は、幼少の頃から
ヴァイオリンを習、
将来はプロのヴァイオリニストに
なるのが夢だったが
家庭の事情で、音楽の道を諦め
実家
の歯科医院を継ぐべく
歯科医になるため大学に通っている。

一方、海翔は
小学校の頃に、兄の影響で
中学に入ったら、吹奏楽部に入ると
かたく心に決めていたが

いろいろな事情で、吹奏楽部に入るのが
他の部員より遅れ
ようやく入った頃には
空いている楽器は、ほとんどなく
たまたま残っていたのが
サックスだったので
今もサックスをやっている。

彼も、実家の歯科医院を継ぐため
大学に通っている。


そんな二人が、せめてサークル位は
好きな事をと
入ったのが「クラシック研究会」。


なんとなく、境遇が
似たような似てないような
二人はすぐ意気投合して
つるむようになったのである。








ある日


「なぁ海翔」

「あぁ?」

「お前さ、オーケストラ興味ある?」

「オーケストラ?」

「うん」

「何で?」

「ん~アマチュアのオケなんだけど
年一回だけ、夏に
公演開いてるオケがあってさ・・・」


「ん?年1回だけ??・・・そのオケってさ・・・
ライジングなんとかって、言わない?」

「え?知ってるの?
ライジングスターオーケストラ?」

「そうそう、そんな名前だった・・・
昔、1回だけだけど
公演見に行ったことがあるな・・・」

「そうなんだ、じゃぁ話が早い
俺、高校の時から
参加させてもらってて
今年も、もうすぐオケの練習が
始まるんだけど
海翔も、ちょっと顔出してみないか?」

「え?いいのかよ?オケだろ?
サックスあんまり必要なくね?」

「まぁ曲によるけどね
クラシックにこだわってないから
問題ない気がするが・・・
まぁ多少の審査というか
オーディションみたいなのはある・・」


「・・・そっか
じゃぁ行ってみようかな~」

「よし、決まり!!」







そして、この年のR☆Sオケの公演には
二人の姿があったのである・・・。



☆☆☆


簡単な二人の出会いというか
R☆Sオケに参加するキッカケというか
描いてみました。

まだ、二人には、いろんな謎?がありますが
またそれは、別に機会に・・・・。